農業研修制度
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2018年10月から研修を始めた柴田さん。3年間の農業研修期間を終え、現在はビニールハウスでゴーヤ、実エンドウ、アールスメロンを栽培、さらに畑を借りて屋外でのカボチャの栽培にも取り組んでいます。
柴田さんは大学の農学部出身ですが、学生の頃その関心は植物を用いた土壌浄化へと向けられていたようで、農業は定年後にでもできればいいなと考えていたとのこと。その後は小売業に関心が移り、関東で8年間ドラッグストアに勤めていました。そんな柴田さんがどうして、小値賀島という離島での就農を考えたのでしょうか。
きっかけは、関東から地元の長崎へと戻ってくることになった際、「体が元気なうちの方が農業は自分の思い通りにできるんじゃないか?」と思ったから。農業もいいなと考えるようになってからは、長崎で働きながらインターネットの就農情報サイトや長崎県の就農支援センターを活用して情報を集めていました。長崎県内や佐賀県内など様々な農業研修制度を比べた結果、たどり着いたのがこの小値賀島。下見に来て担当者と話した際にこう感じたそうです。「3年間の研修期間ならば、技術を習得したり地域の人々との信頼関係を作ったりしながら、就農のための農地を探す時間もたっぷり取れると思いました。他にも就農のための農地を研修期間のうちに探すことが最も難しいと考えていたので、それに対して行政や地域の人々からの手助けを得られると感じた点が特に魅力的でした。就農作物が限定されてないので、自分でやりたい農業を考えて選択できる点も魅力に感じました。」そうして、柴田さんは小値賀島へやってきました。
3年間の研修の中でも、1年目に複数の地元農家を数か月ごとに回りながら自分のやりたい作物を見つけられたことと、諫早での2か月間の農業研修が今でも役に立っていると話す柴田さん。「1年目に町内の農家さん5軒をお手伝いさせてもらって、その農家さんだけでなく仲のいい他の農家さんとも知り合えたので、相談できる相手が増えました。諫早での農業研修では、新規就農に取り組む他の地域との人々と知り合うことが出来て一層やる気が出ました。彼らとは今でも情報交換や相談をしながら励まし合っています。」
現在、ゴーヤと実エンドウの組み合わせで忙しいながらも売り上げを十分確保できていると語る柴田さんですが、その上さらにアールスメロンを栽培する理由を聞くとこう答えてくれました。「小値賀のアールスメロン栽培は先人の知恵と努力の結晶なんです。栽培に取り組んできた先人たちが栽培方法をいろいろなやり方で学び、知識と技術を積み重ねていくことで地域を代表する作物へと育て上げたと聞きました。アールスメロンを栽培する農家の数が少なくなっている今、これは誰かが引き継がなければいけないと思い栽培することに決めました。」農業の担い手として、受け継ぐのは技術だけではないのだと、その表情は物語っていました。
柴田さんの5年後の展望は、栽培面積拡大と雇用の創出。ハウスを拡大するか、ハウスの規模をそのままに露地栽培を拡大するか、自分自身の技術の向上と地域の状況を見極めながら計画を練っているそう。今後の活躍が楽しみです。

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